マインドフルネスの脳神経生理学的な効果
2023年9月25日
マインドフルネスの脳神経生理学的な効果
マインドフルネスの脳神経生理学的な効果とはどんな事なのかを、わかりやすく具体的に探って行きます。
欧米などでは盛んに行われている心理療法
マインドフルネス心理療法は、欧米などでは盛んに行われている心理療法です。
認知療法(第2世代)の弱点を補う心理療法
それは現在、日本でも行われている認知療法(第2世代)の弱点を補う形で、マインドフルネス心理療法(第3世代)として発展しているのです。
欧米などでは
多くの心理療法者がマインドフルネス心理療法を用いて、種々の難治性の心の病気の治療・予防、非行犯罪の矯正、医療関係者の精神疾患の予防などに貢献しています。
うつ病などが治る原理とは
うつ病などが治る原理は、認知の修正によるのではなく、認知から距離を置くことであるらしいと、アメリカ等のマインドフルネス心理療法者は分析しているようです。
脳神経生理学的にいえば
例えば、脳神経生理学的にいえば、うつ病はセロトニン神経の低下で起きるというよりも、HPA系(視床下部-下垂体-副腎皮質-ストレスホルモン分泌)の亢進による前頭前野の機能低下にある事と、治療標的と治療法のずれからも言われています。
セロトニン仮説による抗うつ薬
頭が回転せずに判断、思考力が低下して仕事ができない、人と会話できないなどが起きるのは、前頭前野の障害であると言われていますが、現在、そこを直接に標的にする薬がありませんのでセロトニン神経に作用させる薬を投与する。それが、現在の抗うつ薬による投薬処方になります。
※ セロトニン神経に作用させて、その軸策は前頭前野にも伸びているので、前頭前野の障害部位に作用しているのかもしれないということもできる。
HPA系の亢進には作用しない
ただ、上流のHPA系(視床下部ー下垂体ー副腎皮質)の亢進には作用しないだろうから、治りにくいうつ病も出てくる。
作用・反作用の関係も
それは、傷つける作用(否定的思考、ストレスホルモン)と修復しようという薬の作用とのバランスもあるだろう。
非定型うつ病の場合は
非定型うつ病の鉛様麻痺感、拒絶過敏性による対人反応は、セロトニン神経との関連は考えにくいので、さらに抗うつ薬がききにくい。
なぜ薬だけで治りにくいか
こうして、うつ病の問題を起こす部位と、薬との関係等が理解出来ると、なぜ薬だけで治りにくいかが理解出来る。
認知療法は肯定的思考回路を使う
認知療法(第2世代)は否定的思考回路を使わず、肯定的思考回路を使うことが治るという原理といえるでしょう。しかし、治るのは患者が認知を修正したことによるのではなくて、認知から離れるためであるという説を
「マインドフルネス認知療法」(シーガル他、北大路書房、2007年9月)に載せています。
それで、最近の第3世代の認知行動療法は、認知の修正ではなくて、認知から離れる手法が用いられる理由だというのです。
マインドフルネス心理療法では
マインドフルネス心理療法は思考回路ではなくて、前頭前野の機能のうち、現在進行形で働く、ワーキングメモリ(作業記憶)や衝動的行動の抑制機能の活性化のために、繰り返しのトレーニングをするものといえるのでしょう。
特に、私達が現在行っているマインドフルネス・自己洞察法では、脳神経生理学的なことばかりではなくて、
不快事象の受容等と同時に、日常の生活の中に様々な自己洞察等を取り入れて行いますので、認知療法(第2世代)で治癒した人よりも再発率が低いと言われています。
この記事は以下の方が執筆しています。
佐藤福男
〇資 格 : マインドフルネス瞑想療法士(マインドフルネス総合研究所) マタニティー / 0才児 指導者資格(幼児開発協会) 一般旅行業取扱主任者(国家資格) 〇役 職: 非営利型一般社団法人マインドフルメイト代表理事・ マインドフルネス学校 学校長
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