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マインドフルネスの実践活動と想い
目次
マインドフルネス実践活動と想い
本当の自分を取り戻すサポートを!
仕事・プライベートを問わず、人間関係や将来への不安から生まれる大きなストレス。コロナウイルス感染拡大の煽りを受けて、生活の中で感じられるストレスも増幅されています。蓄積したストレスは時に、うつ病・パニック障害・不安障害などの問題に繋がることも。ストレス社会と呼ばれる現代日本では、これらの病気に悩んでいる方が非常に多いという現実があります。
このような課題を解決に導くため、「マインドフルネス」という方法を実践しているのが、非営利型一般社団法人「マインドフルメイト」。今回のコラムでは、非営利型一般社団法人「マインドフルメイト」カウンセラー(瞑想療法士)の佐藤福男さんへ取材インタビューを行い、「マインドフルメイト」の取り組み、セッションや相談会について、またその“想い”についてお伺いしました。今、心に大きな苦労を抱える方々へ、ぜひご覧いただきたいインタビュー記事です。
きっかけは「明るい社会づくり活動」への参加
ーまずは、佐藤様のこれまでのご経歴について教えてください。
高校学校を卒業後、某大手の旅行会社に入社し、営業活動や添乗業務に携わっていました。この頃から「世の中を、もう少しよくしたい」…と漠然とした思いを持つようになっていましたね。そんな時に結婚を機に自営業を始め、同じタイミングで地域のボランティア活動に参加をするように。
そんな折に、「明るい社会づくり活動」のボランティアに参加する機会に巡り合ったのです。その当時、ソニーを設立された井深大さんが全国協議会の会長を務めていた時でした。そして、その団体の全国の後継者を育成していくために開かれた、育成塾の運営にスタッフとして参加していました。
井深会長を囲んでの助言・指導会 平成3年2月14日(木)
【ソニー本社・8階役員室にて】
ーなるほど。ボランティア活動などの社会貢献からから始まったのですね。
こうして様々なボランティアに取り組んでいたのですが、母親の介護に専念するために、今までの活動から離れることに。その後、母親の介護に14年ほど関わり、母親を看取る事ができました。そして、その後のボランティアを再開しようと決めた時、ふと思ったことがあったのです。「明るい社会づくり活動」は大きな組織体ですので、知らず知らずのうちに奉仕活動やその方針が変わることが多々あり、自分の信念と合わない方向に物事が進むこともありました。その変化に、時折違和感を覚えることがあったのです。
これまでのようにモヤモヤとした思いを抱えてボランティアを始めたくないと思ったことや、その当時お世話になった井深大さんが「他人の真似事をするな」とおっしゃっていたこともあり、自分でイチからボランティア活動を始めたいと考えるようになっていました。
マインドフルネス心理療法で目撃した新たな支援サポートの形
ーご自身ならではのボランティアの形を目指して…。「マインドフルネス」との出会いとは?
再び、ボランティア活動を再開したい…と思っていた頃、知人が重い非定型うつ病に罹っていました。強い疲労感を覚える「鉛様麻痺」と呼ばれる症状があったのです。日々の生活すら、ままならないという状態の知人を救いたい一心で病院に付き添ったのですが、薬を処方されたところで本来の姿を取り戻す将来の姿をなかなか思い描けず…。身近な病院から県外の病院まで様々な病院を回りましたが、結果は同じでした。
そんなある時、私の妻から「マインドフルネスというものがあるらしい」という話を聞いたのです。その当時はマインドフルネスとはどういうものなのか、よく変わらない状況でしたが、他に知人が回復に導く術がありませんでしたので、もうダメ元でもいいから話を聞きに行こう…最初はそんな気持ちで「マインドフルネス総合研究所」を訪ねました。
ーそれが「マインドフルネス」との出会いだった…と。
はい。「マインドフルネス総合研究所」の大田健次郎先生が実践されていたのが「マインドフルネス心理療法」でした。その活動は、うつ病・不安障害・パニック障害で苦しむ人々を救うための取り組みです。大田先生のセッションに知人を連れて参加させていただきましたが、知人はうつ伏せで座っているのが精一杯の状態でした。
しかし、同じセッションに参加をされている他の方々が皆様、次第に回復する姿を目の当たりにしたのです。そして、うつ伏せで話を聞いているのか、聞いていないのか、分からない状態だった知人も、セッションの回数を重ねると座った状態で参加できるようになりました。次第に「だめな自分でもいいから、まずは大田さんの言う通りにしてみる」と、前向きな言葉を口にするように変わったのです。
その後、セッションが終わり社会復帰を果たしていけるような状態まで回復し、2~3年程掛けて次第にお薬から離れ、通常の生活を送れるまでに回復して行きました。
ーその方が回復する様子を目の当たりにして「マインドフルネス」の力を直に感じたのですね。
この出会いをきっかけに、マインドフルネスがうつ病・不安障害・パニック障害を抱える方の救いになると確信しました。そこで、マインドフルネス総合研究所で開催している、マインドフルネスのカウンセラー養成講座に参加をさせていただき、大田氏の言っている内容を参考にしながら実践していきました。
そして2010年に「マインドフルメイト」を設立、2015年には非営利型一般社団法人として運営しています。従来の症状を緩和するケアとは異なり、私たちが目指すのは、より「完治」に近いところまで導くこと。この目標を掲げて、日々ご相談に訪れる方と向き合い続けています。
近隣からも、遠方からも。セッション・相談会は、直接お会いしてお話を
ー現在は、どのような取り組みをされているのでしょうか?
カウンセラー(瞑想療法士)として、主に、山梨県(甲府市)・東京都(八王子市/八重洲/日比谷)・愛知県(名古屋市)を中心にご相談に訪れる方の支援サポートを行っています。現在はコロナ禍ということもあり、東京都(八王子市/八重洲)の2箇所での活動中です。基本的には会場にお越しいただき、セッションを行うようにしています。
ーオンラインではなく、直接会ってお話しされるのですね。
また、SkypeやZoomなどのツールを使って離れた場所にいる方とセッションや相談会を行っています。時には海外の方とセッションを行う事もありますね。でも、多くの方が直接お会いしてお話を伺う事が多いです。セッションに参加をされる方の中には、北海道や九州など遠方から、わざわざ都内の会場まで参加をしていただいています。こういった遠方の方も、最初は近隣の病院に通い相談していたはず。それでも、自分に合った支援サポートを受けられる場所が見付からず、なんとかインターネット上の情報を探して「マインドフルメイト」にたどり着いたという人達が多いのです。
「マインドフルネス」のルーツは「座禅」。問題の「根本原因」を、呼吸法で洗い出す
ーそもそも「マインドフルネス」とは…というところについて、改めてお聞かせください。
マインドフルネスについて、日本では2つの流れがあります。一つは「マインドフルネス緩和法」、もう一つは「マインドフルネス自己洞察法」になります。
「マインドフルネス」を語る上で、まずは、そのルーツからお話ししたいと思います。実は、そのルーツは「座禅」にあると言われています。アメリカの医師が日本に来た時に、座禅に巡り合い「この座禅を医学で応用していきたい」と考えたのが、座禅の取り組みを痛みの緩和に取り入れた「痛みの緩和のマインドフルネス」として主に欧米で広まって行きました。私がマインドフルネスを始めた当時は、日本人の方で欧米に長年住んでいた方から「マインドフルネスで痛みを改善して欲しい」とのお問い合わせをたくさんいただいていました。
その後、痛みの緩和のマインドフルネスを見ていたアメリカの精神科医の先生が、このマインドフルネスを精神科で活用できないだろうか…と始めたのが「マインドフルネス緩和法」と言われています。しかし、そのマインドフルネスはなかなか日本に入って来ることはありませんでした。その後、数年経ってからマインドフルネス緩和法の翻訳本が出版されることになり、次第にマインドフルネス緩和法が知られるようになりました。
一方、日本の大手企業でビジネスマンとして働いていた大田健次郎氏が、日々の業務のストレスからうつ病を発症し、重要な職務を遂行できない状態になってしまいました。休職はしなかったものの、なんとか元のように健康な心になりたいと思っていましたが、ある医師から仏教を勧められてから、多数の仏教書を読み、その結果最終的に辿り着いたのが坐禅だったといいます。坐禅をするうちに次第に本来の自分を取り戻すことができるようになったそうです。
その後、大田氏はうつ病から脱した自分自身の経験を活かして、坐禅の中で心の使い方の説明を加える方法を開発していきます。その手法で多くの人を手助けしたいと活動を始めていくうちに、海外で行われているマインドフルネスの手法と共通する点が多いと気付き、マインドフルネス自己洞察法(SIMT)として活動を行っていきます。
国外発・国内発の二つの流れが合って、現状の日本の「マインドフルネス」の形が生まれたのです。
ールーツは「座禅」にあったのですね。具体的にはどのような取り組みを行うのでしょうか?
私達が行っているマインドフルネス自己洞察法では、心のバランスが崩れてしまった方をサポートしています。その原因の一つとして注目しているのが、自律神経のバランスの崩れ。自律神経とはご存知のように交感神経と副交感神経で成り立っています。
自律神経のバランスが崩れてしまうのは、交感神経が活発になり過ぎる為だと言われています。そのため、例えば、不安感が大きく広がってしまったり、ストレスホルモンの過分泌が起きたり、身体的な症状が発生してしまったりなど様々です。
そのために、活発になり過ぎている交感神経を鎮める事が不可欠になってきます。ところが、活発になり過ぎている交感神経を鎮める効果的な処方薬が、現在のところ見当たらないのです。唯一、現時点で一番効果的だと言われているのは呼吸法。私たちは、その呼吸法を用いています。
具体的に言いますと、普段何気なく繰り返している呼吸ですが、息を吸う時が交感神経に作用すると言われています。逆に息を吐くのが副交感神経に作用すると言われていますので、この点を意識して呼吸の仕方を変えていただきます。
交感神経を鎮めるための最適な方法として、例えば1秒で息を吸って、2〜3秒掛けてゆっくりと息を吐いていく事を繰り返します。そんな心持ちで呼吸を続けることで次第に副交感神経が優位に働き、活発になり過ぎている交感神経を整えられるのです。この繰り返しによって自律神経のバランスを整えていきます。実は、この呼吸法こそが禅と通ずるところと言われているのです。
ー呼吸を整え、心のバランスを整える…。これが「マインドフルネス」の基本なのですね。
このように呼吸法を変えて、自律神経のバランスを整えて行くのですが、次第に心の中の「ざわざわ感」が落ち着き始めると、次の段階として、次第に心に浮かんでくるものがあります。その事が、自分が「なんとかしたい」と思っていること。「何とかなってほしいこと」になりますが、現時点では「どうにもならないこと(ストレス)」でもあります。そのことが、心のバランスの崩壊に繋がる要因。ストレスホルモンの過分泌を引き起こしますので、結果的にうつ病・不安障害・パニック障害や適応障害やPTSD等の発症の「根本原因」と言われています。
私達の行うマインドフルネスでは、その点を手当することで心のバランスを整えていき、自分らしく生きることが可能になるのです。
塞ぎ込んでいた状態から、世界へ。自分の「治したい」を原動力に回復を目指せる「マインドフルネス」の力
ーこれまで支援した方の中で、より印象に残っている患者様はいらっしゃいますか?
これまで無料相談を行い600人以上の方々をサポートしてきました。その中でもより思い出深いのは、八王子会場で出会った大学院に通う男性です。当時、20代前半だったと思います。「勉強が上手く進まない」「学校へ行けない」という課題を抱えており、そのために不眠や嫌悪感や抑うつ症状がありました。いわゆるうつ症状のとても強い方でした。
ご相談後に、マインドフルネスのセッションを始めたのですが、3ヶ月経った頃からセッションへの参加が途切れてしまいました。しかしその後、半年以上経ってから再び姿を見せ「やっぱり治したいです」と…。東南アジアで活躍したいという夢があるので、なんとかうつ病を乗り越えて社会に復帰したい…そんな思いを語ってくれました。私も、彼の話を伺いなんとか手助けをしていきたいと思い、これまで以上に彼と向き合い始めました。
ーどうしても治したい…という強い思いを持っていらっしゃったのですね。
「マインドフルネス」を続けていくと、彼が幼い時に両親から虐げられる環境下にあったことが浮かび上がりました。知らず知らずのうちに心はズタズタになり、両親を嫌悪することで自分自身を嫌悪してしまう…という繰り返しに悩まされていることが分かってきたのです。「マインドフルネス」は心に浮かび上がった根本原因をそのままにすることが大切になりますので、「あんな親でも自分の親か」と言った嫌悪や思考が繰り返し起きる中で、「親が嫌いという自分でもいいんだ」…そう思えるように支援サポートを続けました。その結果、セッションから8ヶ月が経った頃から、今後について前向きに考えるように生まれ変わってきたのです。
ちょうどそのタイミング付近で知人から「ジャカルタで活動しないか」というお誘いがありました。しかし、うつ症状がよくなったとはいえ、まだ不安が残っていましたので色々と思案する中で、ジャカルタに行ってもマインドフルネスの手法を繰り返して行くことを条件に、ジャカルタに旅立っていきました。その後、心のバランスを崩すことなく、ご自身の夢を叶える事ができたと思います。どうにもならない状態から世界に旅立っていった彼の姿は、今でも思い出しますね。
ー塞ぎ込んでいた状態から、世界へ。「マインドフルネス」で回復し、夢を叶える人が今後も増えてほしいと思います。
おっしゃる通りです。お仕事・家事・育児ができないなどの悩みを抱え、病院に通ってもなかなか症状を改善できない…そんな方もいらっしゃると思います。「マインドフルメイト」は、このように本来の活動ができずに苦しんでいる方々への支援サポートを行なっています。
「マインドフルネス」は外からの力ではなく、ご自身が内側に持つ「治したい」「よくしたい」と思う力を原動力に症状の回復に導いていくものです。いま、どんなにつらい現実があっても、どんなに厳しい状況にあっても、自分自身を諦めないでください。私達は、そんな現状から立ち直るための支援サポートを全力で行います。
セッションに参加をされる方には、今の逆境をきっかけに「自分はうつ病になってしまったけど、これをきっかけに自分らしく生きたい」と思えるように変わってほしいと考えています。思い通りの人生じゃなくても、自分らしく歩むことはできるはず。その自分らしさを見付けるためにサポートしていくのが「マインドフルネス」です。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました!
マインドフルメイトのあゆみ【著書】
「うつ病や不安障害・パニック障害、強迫神経症が治った人達: 非営利活動法人マインドフルメイトの歩み(エビデンス)改訂版➀ Kindle版」⇒ 購入はこちらから
非営利活動法人マインドフルメイトが、うつ病や不安障害・パニック障害、強迫神経症の症状が改善せずに悩む方をサポートする為に、2010年からの15年間のあゆみを綴った内容です。
非営利活動法人マインドフルメイトは、2010年に山梨県内でマインドフルネスの活動を開始し、2017年非営利活動法人を設立し現在に至っています。
医師の診断を受けて処方される薬などを服用しても、なかなか症状の改善がみられないうつ病や不安障害・パニック障害・強迫神経症等で悩む方々の手助けを、マインドフルネス心理療法を用いて行って行くために、うつ病や自殺防止の無料相談会やセッションに訪れる参加者の皆様に、誠心誠意一人ひとりの気持ちに寄り添えるような対応を心掛けて歩んできました。
そのため、私が行うマインドフルネス心理療法で改善が見込められない方はお受けすることはしていません。しかし、私がお受けをして、セッションを最後まで終了した方のほとんどが症状の改善を感じています。また参加者をされる方は、相談会やセッションの会場付近にお住まいの方だけでなく、新幹線や飛行機を乗り継いで遠方からお越しになる方など全国各地の方がおり、私たちは数多くの方々のお悩みや症状を伺ってきました。
そして、活動15年目を迎えるあたり、私たち非営利活動法人マインドフルメイトの歩みをエビデンスとして改訂版として発行させていただくことになりました。(初版発行は2014年6月)
私が行っているマインドフルネス心理療法では、うつ病や不安障害・パニック障害や強迫神経症等で医師の診断を受け治療を受けても、なかなか回復が望めない方に向けて、本来の生活を取り戻し、自分らしく生きて行く事を目標として、完治を目指しています。
【リンク】
〇マインドフルネス相談会のご案内:https://mindfulmate.jp/conference/
〇マインドフルネスの体験談 : https://mindfulmate.jp/experiences/
〇マインドフルネス乃学校: https://mindfulmete.com/
〇マインドフルメイトのサイトマップ :https://mindfulmate.jp/サイトマップ