うつ病を治すマインドフルネス心理療法とは
2023年9月22日
うつ病を治すマインドフルネス心理療法とは
うつ病には、マインドフルネスがとても効果的だと言われていますが、なぜ効果的なのかに付いてお話して行きます。
マインドフルネスとは、
マインドフルネスとは、今起きている事を騒がずに、まずその事を受容(そのままに)して行きます。その繰り返しの後に、今現在起きている内面的な経験や外的経験に自然と意識が向いて行きます。
ヨガの場合
例えば、ヨガの場合は身体を動かしながら、その動いている身体に集中し注意を払います。そして、今現在起きている内面的な経験や外的経験に注意を向けて行きます。
瞑想の場合
瞑想の場合も、呼吸や自分が今何を感じているのか、といったことに意識を集中させます。ので、今現在起きている内面的な経験や外的経験に注意を向けて行きます。
普段の生活でも
ヨガや瞑想というと、とても特別で難しいことのように感じられますが、普段の食事で食事の香りや味、食感に集中したり、盛り付けをよく見てみたりします。お風呂では身体が水に触れる感覚や水の音に注意を払うことは自然に行われている事です。
今ここにあること
このように、とにかく今ここにあること、今自分が行っている行動に感覚を注ぐことがとても大切になります。
物事を客観的に捉えること
この事が可能になりますと、自分の主観的な善悪の判断などを、心の中から追い出し、物事を客観的に捉えることができる状態になります。
過去にとらわれない
いわば、目の前のことに五感を総動員することで心に余計なことを考えさせる隙間を与えないのです。
余計なことを考えないということはすなわち、過去に起こってしまって取返しのつかない失敗にクヨクヨしたり、まだ起きてもいない未来のできごとに対して心配することを放棄してしまうのです。
脳細胞の過剰な反応
現在では科学の進歩により、脳のどの部分がどのような機能を持ち、行動や思考に対して、どのような反応を示すのか科学的に解明されている部分もあり、ストレスに対して偏桃体が過剰な反応をしてしまう事は、科学的根拠のある事だと認められています。
現代人の特徴
現代人の傾向として、日々あまりにも多くのことをこなすことに追われていて、目の前のことに集中することを忘れがちになっています。この状態では常に意識が散ってしまい、仕事をはじめ日々の生活の精度が失われていくことが想像できます。
うつ病が発症している人は
通常の生活が出来難いとか、日々の生活が多少困難は人達に対しては、そのような対処で良いと思います。
しかし、うつ病を発症してしまっている人の対しては、その事が頭では理解出来ても、実際にその事を取り組もうと、身体に意識を集中したり、呼吸に集中したり、行動に集中する事が困難になります。
さらに、その事を繰り返す事により、その症状を悪化させてしまうケースが起きて来ます。
マインドフルネス心理療法では
そこで、マインドフルネス自己洞察法では「集中する」事は行わずに、今起きている事を騒がずに、まずその事を受容(そのままに)して行きます。
その繰り返しの結果、今現在起きている内面的な経験や外的経験に自然と意識が向いて行きます。
その時に出来る事を繰り返す
その事を、今自分が置かれている状況に合わせて、出来る事を繰り返す事になります。
その積み重ねが、うつ症状の緩和に至り、さらには症状の改善に至りますので、お仕事に復帰したり、家事・育児が可能になっています。
目標は完治
私達が目指すのは、症状の緩和(多少良くなる事)ではありません。
お薬にたよることなく、最も怖い再発の不安から離れる事です。
その状態を完治と言っていますので、私達の目標は完治です。
何故マインドフルネス心理療法が効果的なのか、
うつ病というのは、気分が沈んだり、やる気が出なかったり、ネガティブな考えにとらわれやすくなる病気です。その背景には「心のクセ」や「考え方の偏り」が関わっていることも多いです。マインドフルネス心理療法は、その心のクセをゆっくり整え、今この瞬間を穏やかに感じ取る力を育てる方法なんです。
マインドフルネスってそもそも何?
「今、この瞬間の自分の体験に意識を向けて、評価や判断をせずに受け止める心のあり方」のことを言います。
たとえば、嫌なことがあったとき、「またダメだ」「私はだめな人間だ」と考えがちですが、そのときに
今、私は落ち込んでいるな
胸が苦しいな
不安な気持ちがあるな
と、ただその状態をそのまま気づく。そして良いとか悪いとか判断せずに、受けとめてみる。これがマインドフルネスの基本です。
うつ病にどう効くの?
うつ病の方は、多くの場合、過去の嫌な出来事や将来の不安について繰り返し考えすぎてしまい、心が疲れてしまいます。
マインドフルネス心理療法は、呼吸や身体の感覚、今感じていることに注意を向ける練習を通して、
過去や未来の考えから距離をとる
ネガティブな考えに飲み込まれにくくなる
自分の状態に気づき、必要以上に自分を責めることが減る
といった効果が期待できます。
実際にどんなことをするの?
一般的に、以下のような方法があります。
呼吸に意識を向ける練習
ゆっくり呼吸し、その感覚に注意を向ける。雑念が浮かんでも「気づいたら戻る」を繰り返す。身体の感覚に注意を向ける練習(ボディスキャン)
頭の先から足の先まで、少しずつ体の感覚を観察する。歩行瞑想
ゆっくり歩きながら、足の感覚や周りの音、体のバランスに注意を向ける。ネガティブな考えへの気づきの練習
「私はダメだ」と思ったとき、「あ、今そう思ってるんだな」と気づき、その考えに巻き込まれずに手放す。
薬だけではうまくいかない方にも
うつ病治療では薬も有効ですが、人によっては副作用や効果の限界があります。マインドフルネス心理療法は副作用がなく、自分で続けていける心のトレーニングとして、海外や日本でも医療機関で取り入れられることが増えています。
まとめ
内容 | 目的 |
---|---|
呼吸や身体の感覚に注意を向ける | 過去や未来の考えから距離をとる |
ネガティブな考えに気づく | 自分を責めるクセを減らし、気持ちを穏やかにする |
評価せず今の状態を受けとめる | 心をリセットし、不安や落ち込みを和らげる |
最後に
マインドフルネス心理療法は、すぐに劇的にうつ病を治す魔法の方法ではありません。でも、毎日の中で少しずつ練習することで、心のクセに気づき、自分の心を守る力を育てることができます。そして、それが結果的にうつ病の改善につながっていきます。
この記事は以下の方が執筆しています。
佐藤福男
〇資 格 : マインドフルネス瞑想療法士(マインドフルネス総合研究所) マタニティー / 0才児 指導者資格(幼児開発協会) 一般旅行業取扱主任者(国家資格) 〇役 職: 非営利型一般社団法人マインドフルメイト代表理事・ マインドフルネス学校 学校長
【リンクのご案内】
〇カウンセラー・佐藤さんに聞く「マインドフルネス」実践と“想い”
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〇うつ病や不安障害を乗り越えた体験談
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