なぜ、うつ病になってしまうのか
「どうして自分は、うつ病になってしまったんだろう」
そう思ったことがあるかもしれません。
ふと気がついたら、笑えなくなっていた。
朝、起きることがつらくなっていた。
好きだったことが、楽しいと思えなくなっていた。
頭がぼんやりして、体が鉛のように重く感じる。
「どうしてこんなことになってしまったのだろう?」
「自分が弱いからだろうか?」
「何か悪いことをしたからだろうか?」
そんな風に考えてしまうのは、ごく自然なことです。
でも、どうか知っていてください。
あなたは何も悪くありません。
あなたが悪いから、うつ病になったのではないのです。
頑張りすぎたから、心が悲鳴をあげた
うつ病になる人は、決して「弱い」わけではありません。
むしろ、うつ病になる人の多くは、責任感が強く、まじめで、周りの人を大切にする人です。
仕事や家事、勉強、人間関係――
毎日、何かに追われていませんでしたか?
「やらなきゃ」「もっと頑張らなきゃ」
そんな思いで、自分を奮い立たせていたのではないでしょうか。
心は、限界まで頑張ってくれていたのです。
「もう無理だよ」と悲鳴をあげていたのかもしれません。
でも、あなたはその悲鳴を無視して、
「まだ頑張れる」
「これくらいで弱音を吐いてはいけない」
「もっと努力しなきゃ」
そうやって自分を奮い立たせてきたのかもしれません。
その結果、心が壊れてしまった――
それが、今の状態なのです。
「うつ病になった理由」を探さなくてもいい
「なぜ、うつ病になったのか」
「原因がわかれば治るのではないか」
そう考えるのは自然なことです。
でも、うつ病には「これが原因だ」と言えるものがはっきりしないことが多いのです。
環境や性格、過去のトラウマ、人間関係、ストレス――
さまざまな要素が少しずつ積み重なって、心が限界を迎えてしまった。
だから、「これが原因だ」と突き止めようとしなくて大丈夫。
原因がわからなくても、必ず回復への道はあります。
「理由を探さなくていい」
「原因がわからなくてもいい」
今、大切なのは「どうしてこうなったのか」を考えることではなく、
「どうすれば今の自分が楽になれるか」を見つけることです。
「頑張らないこと」を許していい
うつ病になると、何もできなくなることがあります。
起きるのがつらい。
ご飯を作るのがつらい。
着替えるのも、外に出るのもつらい。
「こんなことでつらいなんて、自分はダメだ」
「もっと頑張らなきゃいけないのに」
そんな風に、自分を責めてしまっているかもしれません。
でも、頑張れないのは当然です。
心が疲れている時に「頑張る」必要はありません。
何もできなくていいんです。
何もしない時間が、心を少しずつ回復させてくれます。
朝起きられなかったら、「今日は休もう」でいい。
食事を作れなかったら、「おにぎりだけでもOK」でいい。
着替えられなかったら、「そのままでいい」でいい。
「できなかったこと」ではなく、「できたこと」を見てあげてください。
「今日は顔を洗えた」
「ベッドから出られた」
「窓の外を眺められた」
それだけで十分です。
それが「回復への一歩」だからです。
「回復しよう」としなくていい
「早く治さなきゃ」
「元気にならなきゃ」
そんな風に思うかもしれません。
でも、回復は「努力」や「気力」でできるものではありません。
むしろ、「治そう」とすることで、心にプレッシャーをかけてしまうこともあります。
回復は、「自然に」少しずつ訪れるものです。
ある日、ふと「あ、今日は少し楽かもしれない」と感じる日が来ます。
そのために必要なのは、**「治す努力」ではなく「休むこと」**です。
「何もしない」
「できないことを許す」
「焦らない」
それが、うつ病の回復につながります。
「そのままのあなたで大丈夫」
あなたは「ダメな人間」ではありません。
あなたは「弱い人間」ではありません。
今、あなたが感じている「つらさ」や「苦しさ」は、
あなたがこれまで頑張ってきた証です。
だから、無理をしなくていい。
「頑張らない」ことを許してください。
「できない自分」を責めないでください。
あなたは、そのままで大丈夫です。
「できること」も「できないこと」も、
「笑える日」も「笑えない日」も、
そのすべてを受け入れていいのです。
あなたがあなたでいることに、何の問題もありません。
ただ「生きていること」
それだけで、あなたは素晴らしい存在なのです。
あなたは一人じゃない
うつ病になると、孤独を感じることがあります。
「誰にもこのつらさはわからない」
「自分だけがこんな思いをしている」
でも、あなたは決して一人ではありません。
あなたを理解しようとする人がいます。
あなたに寄り添ってくれる人がいます。
私も、あなたを応援しています。
無理をしないで、焦らないで、
「今日を生きる」
それだけで、あなたは十分です。
あなたは、あなたのままで大丈夫。
どうか、あなたの心が少しずつでも穏やかになりますように。
私は、いつでもあなたを信じて、見守っています。
なぜ、うつ病になってしまうのか(理論)