うつ病の体調はいつも同じではありません
2025年8月29日

うつ病の体調はいつも同じではありません
― その時々に合った過ごし方 ―
うつ病の大きな特徴のひとつに、「体調が一定ではない」ということがあります。
昨日は少し動けたのに、今日は布団から出るのもつらい。朝は調子が悪かったのに、夕方には少し気持ちが軽くなった。そんなふうに波があるのは決して珍しいことではありません。むしろ、それがうつ病の自然な経過だといえるでしょう。
この波を「努力不足」や「気持ちの弱さ」ととらえてしまうと、ますます自分を追い込んでしまいます。大切なのは、その時々の体調を受け入れ、状況に合わせた過ごし方を見つけることです。
調子が良いと感じる日
調子が良いときには、つい予定を詰め込みたくなります。けれども無理をすると、翌日に大きな反動が来ることも。
そんなときは「八割できれば十分」と考えましょう。散歩や読書、音楽など、自分にとって心地よいことを少し取り入れると、気持ちの安定にもつながります。
なんとか普段どおり過ごせる日
「動けなくはないけれど、すっきりしない」という日もあります。
そんなときは大きな目標を立てるよりも、「午前中にこれだけやる」「午後は休む」といった小さな区切りを意識すると、無理なく一日を過ごせます。
また、人との関わりも長い会話でなくても十分です。
「おはよう」と一言やり取りするだけでも、孤独感が和らぎます。
調子が悪い日
体が重く、気持ちもつらいときは、思い切って「今日は休む日」と自分に許してあげましょう。
最低限、食事や水分を取ることができればそれで十分です。家事や連絡は後回しでも大丈夫。
温かい飲み物、毛布、好きな香りなど、五感を安心させる工夫が心を助けてくれます。
どうしてもつらいとき
一人で抱え込まないことが何より大切です。主治医やカウンセラーに相談する、信頼できる人に「つらい」と伝えることは、弱さではなく大事なセルフケアです。
もし命に関わるような強い衝動が出てきたら、ためらわずに緊急の医療機関や地域の相談窓口に連絡してください。
おわりに
うつ病の体調は、決して真っ直ぐに良くなっていくものではありません。
良い日と悪い日を繰り返しながら、少しずつ回復に向かっていきます。その波を自然なものとして受け入れ、「できるときにできることを」「できないときは休む」と柔軟に過ごすことが、長い目で見たときに大きな力になります。
相談窓口のご案内
うつ病の症状が強くつらいとき、また命に関わるような強い衝動が出てきたときには、一人で抱え込まずに、ぜひ下記の窓口をご利用ください。
📞 電話相談
- こころの健康相談統一ダイヤル(厚生労働省)
0570-064-556
※お住まいの地域の相談機関につながります。 - いのちの電話
0570-783-110(午前10時〜午後10時)
0120-783-556(午後4時〜午後9時、毎月10日は午前8時〜翌日午前8時) - よりそいホットライン
0120-279-338(24時間・通話無料)
🌐 インターネット相談
- 厚生労働省「こころの耳」(メンタルヘルス・相談窓口案内)
https://kokoro.mhlw.go.jp - 東京都など自治体のSNS相談窓口(LINEやチャット相談)
→ 「お住まいの地域名+SNS相談」で検索すると利用できます。
📌 緊急の場合
命に関わる危険を感じるときは、ためらわず 119(救急車) を呼んでください。
【リンクのご案内】
〇カウンセラー・佐藤さんに聞く「マインドフルネス」実践と“想い”

