マインドフルネスはなぜうつ病に有効なのか?

2025年6月9日

マインドフルネスはなぜうつ病に有効なのか?

うつ病の大きな特徴は、**「ネガティブな思考の悪循環」**です。
例えば、「自分はダメだ」「どうせうまくいかない」といった考えが頭の中を何度も繰り返し、その考えに心が飲み込まれることで、気分もどんどん落ち込み、さらなるネガティブ思考を呼び込んでしまいます。

この悪循環を断ち切る方法として、マインドフルネスがとても効果的なのです。


脳の働きから見るマインドフルネスの効果

脳科学の研究では、マインドフルネスを行うと次のような変化が起こることがわかっています。

前頭前野が活性化する

前頭前野は、感情のコントロールや思考の整理、物事の客観的な判断を担う場所です。
うつ病の人はこの部位の働きが低下しやすいのですが、マインドフルネス瞑想を行うと前頭前野の活動が高まり、ネガティブな感情を冷静に受け止められる力が養われます。


扁桃体の過剰な反応が抑えられる

扁桃体は恐怖や不安を感じる中枢ですが、うつ病ではこの部分が過敏になり、不安や恐怖が強まりやすくなります。
マインドフルネスを習慣にすることで、扁桃体の過剰な反応が抑えられ、過度な不安や心配が減っていくことが確認されています。


DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)の活動低下

DMNは、何もしていないときに働く脳の回路で、主に「過去の後悔」や「未来の不安」を考えるときに活性化します。うつ病の人は、このDMNが過剰に働きやすいといわれています。
マインドフルネスはDMNの活動を抑え、「今、目の前の体験」に意識を戻す習慣をつくるので、過去や未来への不安に振り回されることが減るのです。


悪循環を断ち切る「気づき」の力

マインドフルネスの大きな特徴は、考えや感情に飲み込まれるのではなく、「今、自分はこう考えている」と気づく力」を育てる点です。

例えば、

  • 「今、不安になっているな」
  • 「また『どうせダメだ』と思っている」

と、気づくことができれば、その考えに巻き込まれずに距離をとることができるようになります。
これが習慣になると、うつ病の悪循環から少しずつ抜け出せるのです。


まとめ

マインドフルネスの効果脳・心への影響
前頭前野の活性化感情のコントロール力UP
扁桃体の反応抑制不安・恐怖の軽減
DMNの活動低下過去・未来へのとらわれ減少
気づきの力ネガティブ思考の悪循環を断つ

最後に

つまり、マインドフルネスは「考えにとらわれない心の習慣」をつくり、脳と心のバランスを整えることで、うつ病の改善や再発予防に役立つのです。

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