マインドフルネスが脳に与える効果とは?
2025年5月19日

マインドフルネスが脳に与える効果とは?
うつ病改善にも期待される3つの脳部位への影響
うつ病やストレスに悩む方に注目されている「マインドフルネス」。
近年の脳科学の研究では、マインドフルネスが「脳の特定の部位」に直接作用し、うつ病や不安障害の改善に効果をもたらすことが示されています。
この記事では、マインドフルネスがどのように脳の前頭前野・扁桃体・海馬に影響を与え、うつ病に対してどのような回復の可能性があるのかを、わかりやすく解説します。
マインドフルネスとは?脳に効く心のトレーニング
マインドフルネスとは、「今この瞬間の体験に評価や判断を加えずに気づきを向ける」状態のこと。
呼吸や体の感覚に意識を向けることで、脳の働きに変化をもたらし、ストレスや不安の軽減に役立ちます。
特に、うつ病に関連する脳の機能低下や過活動を穏やかに調整する効果が報告されています。

前頭前野:ネガティブ思考からの脱出を助ける
前頭前野とは?
前頭前野(ぜんとうぜんや)は、論理的思考・集中力・感情調整・自己制御などをつかさどる脳の中枢です。
うつ病と前頭前野
うつ病の人では、この前頭前野の活動が低下しやすく、ネガティブな思考や無力感にとらわれやすくなります。
マインドフルネスの効果
- 注意を呼吸や感覚に向ける練習により、前頭前野が活性化
- MRI研究では、瞑想実践者の前頭前野の灰白質密度が増加している例も
- 感情を冷静にコントロールする力(メタ認知)を育てる
結果:「ネガティブな思考の渦から抜け出せる」感覚が得られるようになります。
扁桃体:不安や怒りの暴走を鎮める
扁桃体とは?
扁桃体(へんとうたい)は、不安・恐怖・怒りといった情動に反応する脳の領域です。
うつ病と扁桃体
うつや不安障害では、扁桃体が過剰に反応し、些細なことにも強く不安や怒りを感じやすくなります。
マインドフルネスの効果
- 呼吸瞑想やボディスキャンで、扁桃体の過活動が鎮静
- ハーバード大学の研究では、マインドフルネスによって扁桃体の体積が縮小したと報告
- 感情に巻き込まれず、「観察者の視点」が育つ
結果:「イライラや不安に飲まれにくくなった」と実感する人が増えています。

海馬:ストレスに負けない脳をつくる
海馬とは?
海馬(かいば)は、記憶や学習、ストレスの調整に関わる重要な部位です。
うつ病と海馬
ストレスホルモン(コルチゾール)の影響で海馬が萎縮し、記憶力や集中力の低下を招くことがあります。
マインドフルネスの効果
- ストレス反応を抑えることで、海馬の灰白質密度が増加
- 慢性的なストレスによる海馬の萎縮を予防・回復
- 記憶や判断力、冷静さが戻ってくる
結果:「思考がクリアになった」「忘れっぽさが減った」などの効果が期待できます。

脳は変わる。マインドフルネスはその回復を助ける
脳部位 | マインドフルネスの効果 | 期待できる改善 |
---|---|---|
前頭前野 | 活性化・灰白質増加 | ネガティブ思考、注意力の改善 |
扁桃体 | 過活動の抑制・縮小 | 不安・怒り・感情の暴走を軽減 |
海馬 | 灰白質の回復 | 記憶力・ストレス耐性の向上 |
マインドフルネスは、科学的にも裏付けられた「脳のバランスを整える方法」です。
継続することで、うつやストレスに負けないしなやかな脳を育てることができます。
初心者でもOK!簡単に始められるマインドフルネス瞑想
「何から始めればいいの?」という方へ。
以下の方法で、1日たった5〜10分からスタートできます。
呼吸瞑想(Basic)
- 椅子や床に座り、姿勢を整える
- 呼吸に意識を向け、「吸い」「静かにゆっくりと吐く」を繰り返す
- 雑念が浮かんだら、それに気づき、また呼吸に意識を戻す
ポイント ⇒ 継続が大切です。1日10分~15分から始めてみましょう。

マインドフルネスで“脳から変える”うつ対策を
うつ病やストレスによって乱れた脳のバランスは、マインドフルネスの実践によって少しずつ整えていくことができます。
薬だけに頼らず、自分自身の力で回復する力を取り戻す方法として、マインドフルネスは大きな可能性を秘めています。
あなたの脳と心に、穏やかな変化をもたらす第一歩を、
今日から、マインドフルネスを始めてみませんか?
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