なぜ、うつ病や不安症になるのか ─ 原因と発症メカニズムの徹底解説
2025年6月18日

なぜ、うつ病や不安症になるのか ─ 原因と発症メカニズムの徹底解説
うつ病・不安症は「心の病気」ではなく「脳と神経の病態」
まず大前提として、うつ病や不安症は気持ちや性格の問題ではなく、脳内の神経伝達や生理的システムの異常で起こる医学的な病態です。
それぞれに**発症を促す要因(原因)と発症のしくみ(メカニズム)**が存在し、それが複合的に絡み合って発症に至ります。
うつ病・不安症の主な原因
発症には以下のような複数の要因が関与します。
生物学的要因(脳内物質・遺伝・体質)
- 神経伝達物質の不足・偏り
- セロトニン(安定・幸福感)
- ノルアドレナリン(意欲・集中)
- ドーパミン(快感・やる気)
これらの物質が不足したり、うまく機能しないことで、気分や意欲の調整が困難になる。
- 扁桃体の過活動化と前頭前野の機能低下
不安・恐怖をつかさどる扁桃体が過敏になり、感情を制御する前頭前野の働きが弱まると、感情の暴走が起こりやすくなる。 - 遺伝的要素
特定の遺伝子タイプをもつ人は、脳内伝達物質の調整機能が弱い傾向があり、発症しやすいとされる。
心理的要因(性格・認知傾向・思考のクセ)
- 完璧主義・過度の責任感
自分を追い詰め、常にストレスを溜め込みやすい。 - ネガティブ思考の強化
物事の悪い面ばかりに意識が向き、失敗・批判を過大視する傾向。 - 自己否定・無価値感
自分を責める習慣が強いと、ストレス耐性が下がりやすい。
※こうした傾向も、脳の機能偏りと相互に影響しあう。

環境的要因(ストレス・生活習慣)
- 過労・過密な人間関係
- 家庭内不和・職場での孤立
- 病気・ケガ・失業・離婚などの喪失体験
- 睡眠不足・運動不足・不規則な生活
これらの長期的ストレスが、脳内伝達物質の分泌低下や自律神経の過緊張状態を招く。
自律神経のアンバランス
交感神経(緊張)と副交感神経(リラックス)の切り替えが不調になると、心身が常に興奮状態となり、脳の感情調整機能も乱れる。
慢性的な自律神経の乱れは、うつ病・不安症の引き金にもなり、悪化因子にもなる。

発症のメカニズム
これらの要因が重なると、以下の過程でうつ病や不安症が発症します。
長期ストレス → 扁桃体の過敏化
強いストレスや不安体験が続くと、感情の警報装置である扁桃体が過敏になり、些細な刺激にも不安・恐怖を感じるようになる。
扁桃体の過剰活動 → 前頭前野の抑制低下
扁桃体の興奮状態が続くと、理性や判断を担う前頭前野の活動が低下。感情を理性的に抑えることができなくなり、負の感情が暴走する。
セロトニン・ノルアドレナリン不足
扁桃体の過敏化と前頭前野の機能低下で、セロトニン・ノルアドレナリンの分泌も減少。
その結果、気分・意欲・睡眠・食欲などの調整機能が崩れる。
自律神経のバランスも乱れ悪循環
脳の興奮が自律神経の中枢(視床下部)にも波及し、交感神経優位状態が固定化。
動悸・息苦しさ・めまい・胃腸不良などの自律神経症状が出ると、それがさらなる不安を呼び、不安症・パニック障害に発展。
認知の歪み・自己否定が固定化
脳の機能異常により、過去の失敗や不安な未来ばかり考え、ネガティブ思考が強化。
「自分には価値がない」「どうせうまくいかない」などの認知のゆがみが固定化し、うつ状態に至る。

誤解されがちな「誤作動」という表現について
以前は「脳の誤作動」「扁桃体の誤作動」と言われることもありましたが、正確には**「機能偏重」「バランス異常」「過敏化状態」**と表現するのが適切です。
人間の脳や神経系はストレスに適応するために過敏化するので、それ自体は本来の機能。
ただ、それが長期間続いたり、必要以上に強くなりすぎると機能の調整が効かなくなり病的な状態になるのです。
まとめ
うつ病や不安症は、
- 生物学的要因(脳内物質の偏り・遺伝)
- 心理的要因(性格・認知のクセ)
- 環境的要因(ストレス・生活習慣)
- 自律神経のアンバランス
という複数の要因が絡み合い、脳の感情調整システムの過敏化・機能低下が起こることで発症する病態です。
決して「心が弱いから」でも「気の持ちよう」でもありません。現代社会に生きる誰にでも起こり得る、脳と神経の調整機能の破綻による疾患です。
そのしくみを正しく理解することで、適切な治療や予防、セルフケアにもつなげられるのです。
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この記事は以下の方が執筆しています。

佐藤福男
〇資 格 : マインドフルネス瞑想療法士(マインドフルネス総合研究所) マタニティー / 0才児 指導者資格(幼児開発協会) 一般旅行業取扱主任者(国家資格) 〇役 職: 非営利型一般社団法人マインドフルメイト代表理事・ マインドフルネス学校 学校長
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