マインドフルネスは知識ではなく実践である
2025年2月14日

マインドフルネスは知識ではなく実践である
マインドフルネスは、単なる知識ではなく、実際に体験し、継続的に実践することで初めてその本質を理解できるものです。近年、マインドフルネスに関する書籍や講座が増え、多くの人がその概念を学ぶ機会を得ています。しかし、知識として理解するだけでは、マインドフルネスの本当の恩恵を受けることはできません。
例えば、車の運転を覚えようとして車の構造や理論的な事を学んだり、車の運転に関するマニュアル本を何冊読んでも、実際に車を運転することは出来ません。
それよりも、車の運転の指導員の下で、実際に車の運転席に座りハンドルやアクセル・ブレーキ等を操作していかなと車を上手に運転することは出来ません。マインドフルネスも同じ事になります。

1. マインドフルネスの本質
マインドフルネスとは、現在この瞬間に意識を向け、評価や判断を加えずに「今ここに」「あるがままに」「受け入れる心の在り方」です。この概念は座禅の時に用いられる「只管打坐」と言う手法がベースになります。
しかし、この「今ここに意識を向ける」というシンプルな行為は、言葉で説明される以上に奥深いものです。多くの人は、日常生活の中で過去や未来に思いを巡らせ、思考の渦に巻き込まれています。その結果、今この瞬間を十分に感じることなく、ストレスや不安にとらわれがちです。マインドフルネスを実践することで、思考に振り回されるのではなく、意識的に「今」に戻る力を養うことができます。
2. 知識だけでは不十分な理由
マインドフルネスに関する情報は本やインターネットで簡単に手に入りますが、それを知っているだけでは、実生活に活かすことはできません。例えば、「ゆっくり呼吸をするとリラックスできる」と知っていても、実際に無意識のゆっくり呼吸をしなければ、その効果は得られません。同様に、「今ここに意識を向けると心が穏やかになる」と理解していても、日常の中でそれを実践しなければ意味がありません。
また、マインドフルネスは、頭で理解するものではなく、心と体で感じるものです。例えば、食事をするときに「食べることに意識を向ける」と言葉で理解していても、スマートフォンを見ながら食べていては、マインドフルな食事にはなりません。実際に食べ物の味や食感、香りを意識しながら、一口一口を味わうことで初めて「マインドフルに食べる」という体験ができます。

3. 実践によって得られる変化
マインドフルネスを継続的に実践すると、以下のような変化が現れます。
- ストレスの軽減
マインドフルネスは、自分の思考や感情を客観的に観察する力を養います。これにより、ストレスを感じる状況に直面しても、冷静に対応できるようになります。 - 感情のコントロールが向上
怒りや不安にとらわれることが減り、感情の波に振り回されることが少なくなります。これは、マインドフルネスによって「今ここ」に意識を向けることで、過去の出来事や未来の心配に囚われにくくなるためです。 - 集中力の向上
マインドフルネス瞑想を続けると、注意力が鍛えられ、仕事や勉強に集中しやすくなります。実際に、GoogleやAppleなどの企業が社員向けにマインドフルネス研修を導入し、集中力や創造性の向上に役立てています。 - 人間関係の改善
他者の話をより深く聞くことができるようになり、共感力が高まります。また、相手の言葉や行動に過剰に反応せず、冷静に対応できるようになります。 - 自己理解が深まる
瞑想やマインドフルな気づきを通じて、自分の思考や感情のパターンに気づきやすくなります。これにより、自分の価値観や本当に大切にしたいことが明確になり、より充実した人生を送ることができます。

4. マインドフルネスの実践方法
マインドフルネスを実践する方法はいくつかありますが、代表的なものを紹介します。
- マインドフルネス瞑想
静かな場所に座り、呼吸に意識を向ける瞑想です。思考が浮かんでも、それにとらわれず、再び呼吸に意識を戻します。毎日5〜10分から始めると効果が出やすくなります。 - マインドフルな食事
食事中はスマートフォンやテレビを消し、食べることに意識を向けて行きます。一口ごとに味や食感を感じ、ゆっくり噛むことで、食事を楽しく味わうことが可能になります。 - 歩く瞑想
ゆっくりと歩きながら、一歩一歩の感覚に意識を向けます。足の裏が地面に触れる感覚や、呼吸のリズムを感じることで、日常の中で簡単にマインドフルネスを実践できます。 - マインドフルな呼吸
日常生活の中で、ふとした瞬間に息を吸い、しずかに・ゆっくり吐くことを意識します。特にストレスを感じたときに行うと、気持ちが落ち着きます。
5. 継続することの重要性
マインドフルネスは、一度学んで終わりではなく、日々の実践を通じて深まっていくものです。最初はうまくできなくても、継続することで少しずつ変化が現れます。ポイントは「結果を求めすぎないこと」です。マインドフルネスは「今この瞬間を生きること」なので、無理にリラックスしようとしたり、変化を期待しすぎたりしないほうがよいでしょう。
マインドフルネスの実践における指導者の重要性
マインドフルネスは、自分自身の心と向き合う実践ですが、自己流では独りよがりになったり、誤った解釈をしてしまうことがあります。そのため、適切な指導者のもとで学ぶことが大切です。ここでは、マインドフルネスを正しく深めるために指導者が果たす役割について具体的に説明します。
1. 正しい実践方法を学ぶために
マインドフルネスには、ゆっくり呼吸、あるがままに、今ここになど様々な方法がありますが、初心者が自己流で始めると、正しく実践できているのか分からず、効果を感じにくくなります。例えば、「雑念が湧いてはいけない」と思い込む人が多いですが、実際には雑念が浮かぶこと自体が自然なことであり、そのことに気づくことが大切です。指導者がいることで、正しい理解を得ながら、適切な方法で進めることができます。
2. 独りよがりを防ぎ、客観的なフィードバックを受けられる
マインドフルネスを続ける中で、「自分は正しくできているのか?」と不安になることがあります。例えば、瞑想中にリラックスしすぎて眠くなったり、逆に考えすぎて緊張してしまうこともあります。指導者がいれば、こうした問題に対するアドバイスをもらうことができ、独りよがりにならずに効果的な実践を継続できます。
3. 継続するモチベーションを維持できる
マインドフルネスの効果は、一朝一夕で得られるものではなく、継続的な実践が必要です。しかし、一人で続けようとすると、「本当に効果があるのか?」「忙しくて時間が取れない」などの理由で挫折しやすくなります。指導者のもとで学ぶことで、定期的に実践する習慣がつき、モチベーションを維持しやすくなります。グループでの指導を受ける場合は、仲間とのつながりができることで、さらに継続しやすくなります。
4. 深い気づきを得るサポートを受けられる
マインドフルネスを続けていると、過去の感情や抑圧していた思いに気づくことがあります。例えば、瞑想中に突然悲しみや怒りがこみ上げてくることがあります。このようなとき、適切な指導者がいれば、その感情とどう向き合えばよいのかを教えてもらえます。独りで向き合うと、苦しさに圧倒されてしまうこともありますが、指導者がいれば安全に進めることができます。
5. 実践を日常生活に活かす方法を学べる
マインドフルネスは瞑想の時間だけでなく、日常生活のあらゆる場面で活用することができます。しかし、「どのように実践を生活に取り入れればいいのか?」と悩むこともあります。指導者がいると、仕事や家庭でのストレス対処法や、人間関係の中でのマインドフルな対応など、具体的な活用方法を学ぶことができます。
6. 安全に実践を進めるために
マインドフルネスは基本的に安全な実践ですが、人によっては過去のトラウマや強い不安が浮かび上がることがあります。特に、うつ病や強いストレスを抱えている人は、自己流で行うと逆に不安が増してしまうこともあります。そのため、専門的な知識を持つ指導者のもとで、無理のない範囲で進めることが大切です。
まとめ
マインドフルネスは、一人でも取り組める実践ですが、より深く学び、安全に進めるためには、指導者のサポートが不可欠です。正しい方法を学び、客観的なフィードバックを受けながら、継続することで、その効果を最大限に引き出すことができます。指導者のもとで学ぶことで、マインドフルネスを単なる瞑想の習慣にとどめず、人生全体に活かすことができるでしょう。
マインドフルネスのエビデンス(効果の検証)
マインドフルメイトのエビデンス
マインドフルメイトでは、過去10年以上の活動データを基にエビデンスを制作しています。その方たちは、うつ病や不安障害・パニック障害等の症状で悩む方々になります。私たちは、それらの方々の苦しみの声に真摯に耳を傾け、その人・その人に相応しいマインドフルネスを提供してきました。
その結果が、10年間で600名以上になっていますのでその集約をマインドフルネスのエビデンスとしています。
以下をご覧ください。(クリック)↓ https://mindfulmate.jp/evidence/

マインドフルメイトの相談会
マインドフルメイトでは、マインドフルネス心理療法を用いて、精神疾患の治療及び予防を行っています。その対策や予防が出来ずに過ごしてしまうと症状が長引くと仕事ができない、思うことができないと苦悩したり、悪化すると自殺したい、消えたいなどの気持ちが出てくる人がいます。マインドフルネス心理療法は、アメリカの臨床実験により、うつ病や不安障害やパニック障害やPTSD、摂食障害(拒食・過食)、依存症、家族の不和などに効果があることが確認されています。
以下をご覧ください。(クリック)↓ https://mindfulmate.jp/conference/
この記事は以下の方が執筆しています。

佐藤福男
〇資 格 : マインドフルネス瞑想療法士(マインドフルネス総合研究所) マタニティー / 0才児 指導者資格(幼児開発協会) 一般旅行業取扱主任者(国家資格) 〇役 職: 非営利型一般社団法人マインドフルメイト代表理事・ マインドフルネス学校 学校長
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