【保存版】なぜ、うつ病や不安症になるのか ─ 脳と自律神経から読み解くメカニズム

2025年6月18日

【保存版】なぜ、うつ病や不安症になるのか ─ 脳と自律神経から読み解くメカニズム

現代社会で増え続ける「うつ病」「不安症(不安障害・パニック障害)」。

「心の弱さのせい」「気の持ちようだ」などと誤解されることも少なくありませんが、実際には脳の働きと自律神経のバランスが大きく関係する生理的・心理的な状態です。

この記事では、なぜうつ病や不安症が起こるのか、その背景にある脳の仕組みと自律神経の関係について、具体的にわかりやすく解説します。


脳の構造と「感情のコントロール」のしくみ

人の脳は大きく分けて3層構造になっています。

  • 脳幹:生命維持(呼吸・心拍・体温)をつかさどる
  • 大脳辺縁系:感情・本能・記憶をつかさどる
  • 大脳新皮質:理性・判断・言語・思考をつかさどる

このうち、うつ病や不安症に関わるのが大脳辺縁系と**前頭前野(大脳新皮質の一部)**です。

扁桃体の働き

扁桃体は不安や恐怖、怒りといった感情のセンサー。危険を察知すると脳内で警報を鳴らし、ストレスホルモン(コルチゾール)を分泌させ、体を危機管理モードに入れます。

前頭前野の働き

前頭前野は感情のブレーキ役。扁桃体からの警報を「本当に危険かどうか」を判断し、必要なら感情を抑えます。


うつ病・不安症が起こる脳の状態

強いストレスや不安が続くと、以下のような変化が起こります。

  • 扁桃体が過敏化し、些細な刺激にも過剰に反応
  • 前頭前野の機能が低下し、感情のコントロールが難しくなる
  • 海馬(記憶と感情を調整する部位)も委縮し、ネガティブな記憶が強調されやすくなる

その結果、

  • 小さな不安が大きな恐怖に変わる
  • 理性では抑えきれず、気分の落ち込みや過呼吸、パニック発作に発展する

という状態に陥ります。


自律神経のバランスが乱れるとどうなるか

自律神経は、意識しなくても体の調整をしてくれる神経。

  • 交感神経…緊張・活動・ストレス対応
  • 副交感神経…リラックス・休息・回復

このバランスが保たれていれば心身の健康は守られますが、ストレス・不安・睡眠不足などで交感神経ばかり優位な状態が続くと、自律神経がうまく切り替わらなくなります。


脳と自律神経は相互に影響し合う

感情のセンサーである扁桃体や感情調整の前頭前野は、自律神経の中枢視床下部と神経ネットワークで密接につながっています。

  • 脳がストレスを感知 → 自律神経に伝達 → 体が緊張状態に
  • 体の不調(動悸・息切れ) → 脳がさらに不安を強める

という悪循環を生み、心と体の不調を相互に強め合ってしまうのです。


現代社会と自律神経の乱れ

現代人は以下のような状況に常にさらされています。

  • 長時間労働
  • 情報過多
  • 夜型生活・睡眠不足
  • 運動不足
  • 人間関係ストレス

これらはすべて交感神経を過剰に働かせる要因。副交感神経に切り替える時間が少ないため、体も心も常に興奮状態になり、脳の調整機能も不安定になっていきます。

これが結果的に、うつ病・不安症の発症リスクを高める土壌になっているのです。


心の病は「心の弱さ」ではない

うつ病や不安症は、脳の感情コントロール機能の偏りと、自律神経のバランスの乱れによる生理的・心理的な状態です。

決して「意志が弱い」「気合が足りない」といった問題ではありません。誰もが環境と状況次第で発症する可能性のある、ごく自然な反応なのです。


回復のためにできること

改善には、脳と自律神経の両方を整えることが大切です。

脳の安定化

  • 十分な睡眠
  • 前頭前野を活性化する瞑想・マインドフルネス
  • ポジティブな体験・笑顔

自律神経の安定

  • 規則正しい生活
  • スマホやPCから離れる時間
  • 腹式呼吸・ヨガ・温浴・ストレッチ
  • 適度な運動

これらを習慣にすることで、脳の感情制御機能と自律神経のバランスが回復し、心と体が本来の状態に戻っていきます。


まとめ

うつ病や不安症は、脳と自律神経の機能の偏りによって起こる心身の不調です。現代人にとって誰にでも起こり得る自然な現象であり、決して「心の弱さ」ではありません。

その背景を知ることで、自分を責めるのではなく、回復に向けた適切な方法を選べるようになります。心の不調は必ず改善できるもの。焦らず、無理をせず、脳と自律神経を労わる習慣を取り入れてみましょう。

マインドフルメイトの相談会

うつ病の背景には、脳の機能的な変化があり、そこに働きかける手段の一つとしてマインドフルネスが注目されています。薬物療法やカウンセリングと併用しながら、日常に少しずつマインドフルネスを取り入れていくことで、再発予防や回復力の向上に大きな助けとなるでしょう。

脳は変わる。そして私たちの感じ方や考え方もまた、変わっていける。マインドフルネスは、その変化の一歩を静かに後押ししてくれる存在です。

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マインドフルネスのエビデンス(効果の検証)

マインドフルメイトでは、過去10年以上の活動データを基にエビデンスを制作しています。その方たちは、うつ病や不安障害・パニック障害等の症状で悩む方々になります。私たちは、それらの方々の苦しみの声に真摯に耳を傾け、その人・その人に相応しいマインドフルネスを提供してきました。

その結果が、10年間で600名以上になっていますのでその集約をマインドフルネスのエビデンスとしています。

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この記事は以下の方が執筆しています。

佐藤福男
〇資 格 : マインドフルネス瞑想療法士(マインドフルネス総合研究所)  マタニティー / 0才児 指導者資格(幼児開発協会)  一般旅行業取扱主任者(国家資格)  〇役  職: 非営利型一般社団法人マインドフルメイト代表理事・ マインドフルネス学校 学校長

【リンクのご案内】

〇カウンセラー・佐藤さんに聞く「マインドフルネス」実践と“想い”

https://mindfulmate.jp/practice-of-mindfulness-and-feelings/

〇うつ病や不安障害を乗り越えた体験談

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〇マインドフルネス相談会のご案内 IN東京都・愛知県・山梨県

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〇マインドフルメイトのサイトマップ

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